4年生体験学習行事
4年生 社会科見学「森林教室」
11月17日、秋晴れの良いお天気に恵まれ、4年生は森林教室に出かけてきました。場所は高尾の日影沢キャンプ場。バスで到着し、キャンプ場までは20分ほど歩きました。少しずつ森林に入ってくると、空気がひんやりと感じられるようになってきました。
午前中は、森林散策。森林の中をボランティアガイドの方に説明していただきながら歩きます。事前に、学校で森林には天然林と人工林があり、それぞれの役割があることを学習していきました。実際に森に入ってみると、違いは歴然。松や杉、ヒノキなど生長が早い植物が人工林として植えられていて、まっすぐに空に向かって伸び、きれいに揃って植えられていました。それに対して、天然林は木が曲がっていたり、大きさや太さも様々。子どもたちは「ここは人工林だよね。」といいながら歩きました。
森の中には、普段見ることのできない植物がたくさん。高尾には1300種以上の植物、5000種以上の昆虫が生息しているそうです。色々なひっつき虫や、触れると種がはじけ飛ぶツリフネソウ、レモンの香りがするレモンエゴマ等を教えていただき、興味津々。葉の匂いを嗅いで「めっちゃレモン!」と驚いたり、自分の顔よりも大きなほうの葉に穴を開けてお面を作ったりと五感をフル活用して自然を楽しみました。
葉が手のひらのように5~7つに分かれているイロハモミジは、昔の人が「いろはにほへと」と数えたことが名前の由来と聞き、葉っぱを手に「いろはにポテト」と一生懸命数えている姿に思わず笑ってしまいました。途中にある沢では、サワガニ探しに夢中になりました。小さな石をどかして、じっくりと水の中をのぞき込みます。実際にサワガニを見つけ、サワガニが脱皮した抜け殻も見ることができました。
実際に目にすることはできませんでしたが、動物の姿は跡として見ることができました。少し崩れている山肌はイノシシが餌を探してほじった跡、また木に開いている穴はムササビのすみかになっているとのお話も聞くことができました。カエルが土の中で隠れていて、鳴き声を真似すると返事が返ってくることがあるとの話を聞くと、一生懸命穴に向かって鳴き声を真似していました。残念ながら返事は聞こえませんでしたが…。また、落ち葉が栄養となって木を育てている森の土には栄養がいっぱい。その栄養をもらっているミミズは、子どもたちが普段目にする数倍の大きさ。さらに元気よくうねうねと動きます。あまりの大きさと元気の良さにびっくりしました。
森林の中を2時間弱歩き、森林の木々が発散するフィトンチッドの効果で身も心もリフレッシュしつつ、森林が多くの植物や動物のすみかとして大切な役割を果たしていることを、肌で感じることができました。
午後は、2グループに分けて森林学習と丸太切りを行いました。
森林学習では、スライドを使い森林のはたらきや森林官の仕事の紹介・高尾山の動物たちについてお話を聞かせていただきました。森林は水を蓄える自然のダムの働きをしています。午前中の森林観察の際に、土の間から水がぽたぽたと滴り落ちている様子を見ることができ、土がスポンジのように水を蓄えているということを実感することができました。そして土砂崩れや災害を防ぐなど、私たちの生活を守る役割を果たしてくれていることも教えていただきました。子どもたちは、一言も聞き逃さないようにと、メモをとることに一生懸命。質問タイムでは、「これからの高尾山をどうしていきたいですか?」との働く方の気持ちに目を向けた質問が出ました。高尾山は「世界一登山客の多い山」なのだそうです。これからも世界一の登山客を迎えられる山として守っていきたいという心意気を聞くことができました。
丸太切りでは、ヒノキの木を切らせていただきました。触れあいセンターの方が見本を見せてくださるのを見ると、あっという間。足を肩幅に開き、腰を落として気合いを入れて臨んだ丸太切り。力が入りすぎてのこぎりの歯がふらふらと曲がってしまい、なかなか上手く切れません。子どもたちは実際に体験することで、木を切ることがこんなに大変な作業だということを身をもって体験していました。切りたての丸太は、いい香りがします。周りの皮をむいて、コースターとして持ち帰りました。
地球温暖化が進んでいる中で、私たちの知らないところで、こうして森を守り、育てる仕事をして下さっている人たちがいることを知るとともに、森林の大切さを改めて感じることのできる一日となりました。