5年生授業紹介
つなぐ手5年食育 かつおだしのうまみを実感 「にんべん」(株)さんによる授業
株式会社「にんべん」の方に来ていただき、日本の食文化とかつお節の魅力についてお話を伺いました。
家庭科室に入ると、だしのにおいでいっぱい。「いいにおい~」と口々に言いながら、席に着きました。いつも子どもたちが目にしているかつお節は、パックに入った削られた状態のもの。削る前のまるで木のようなかつお節を初めて目にする子も多く、カンカンと叩いた時の乾いた音を聞き、「そんなに固いの?」と驚いていました。
かつお節は、昔は貴重なタンパク源として高価なものだったそうです。かつお節は多くの過程を経て、おいしくなるためのカビ付け、天日干しを繰り返して120日ほどかけて作られます。今回は、カビ付けを4回以上行った本枯かつお節を実際に削らせていただきました。削るのには、大工さんが使うかんなを使って削ります。全体重をかけて、かつお節を前後にゆっくり動かします。すると、シャコシャコといういい音とともに、かつお節が削れていきます。慣れない作業に、削り終わった子どもたちは、「手が痛い」「力がいる、大変!」と疲れた様子。一生懸命みんなで力を合わせて削ったかつお節を試食すると、削りたてのいい香りと味に「おいしい!」と先を争うように食べていました。その後は、かつお節の旨みは、出汁が一番感じられるとのことで、かつお節から出汁をとることに。先生のとった出汁は、濁りのないきれいな金色。実際に自分たちでも出汁をとり、お湯に味噌を混ぜた物と、出汁に味噌を混ぜた物で飲み比べてみました。同じ味噌の量でも、出汁と混ぜた物は、味が濃く感じます。「全然違う!」と他の素材の旨みを引き出す出汁の力を実感することができました。また、出汁を取った後のかつお節も無駄にはしません。から煎りし、砂糖・醤油・みりんで味付けし、ごまを加えてふりかけにして下さいました。作っている間、子どもたちは、あまりのいいにおいに吸い寄せられ、顔がフライパンに当たるのではないかと思うくらい、近づいて見ていました。ちょうど4時間目で、おなかが空いてきていた子どもたち。ふりかけを試食すると、「お弁当と一緒に食べたい!」と訴え、特別に教室に持ち帰り、その日のお弁当と一緒に食べました。旨みは、英語でも「UMAMI」と言われ、日本人が見つけたものだそうです。鰹節ならではの「本物の味・本当の美味しさ」を体験することができました。
児童の感想より
・ぼくは、鰹節を作る為に長い時間をかけて、様々なことをしていることを知り、とても驚きました。また、鰹節にいろいろな種類があることにも驚きました。授業で飲んだおみそ汁やふりかけがとてもおいしかったので、家でも作って食べたいと思います。
・私は、鰹節がいろいろな工程を経て、かたい鰹節ができることを初めて知ったし、削り機で鰹節を削ることも初めて知りました。
授業の後でお母さんと一緒にスーパーに行ったら、にんべんさんの鰹節が売っていたので、買って、もらったレシピを見ながらおみそ汁を作ったら、とてもおいしかったです。
・私は、鰹節で出汁をとると、こくとうま味が全然違うことに気が付きました。特におみそ汁です。普通にお湯に味噌を溶かすのではなく、鰹節の出汁の方が私は好きでした。とてもおいしかったです。ふりかけは、無駄なく作れて、それにおいしいですよね。
・鰹出汁に味噌を入れるだけであんなにおいしくなるとは、びっくりしました。また、教えてもらったおいしい鰹のふりかけを作って食べたら、すごくおいしかったです。鰹は出汁も出汁がらもおいしいことが分かりました。最初はカビをつけると聞いてびっくりしました。でも、カビをつけないとできないと知って、カビはいいヤツと思いました。
・今回の授業で初めて鰹節を削って、思ったよりも力を入れないと上手く削れないんだなと思いました。驚いたのは、鰹節の出汁は、無味無臭なのに、味噌を入れてみそ汁にすると一段とおいしくなるので、マジックのように感じました。今後は、家で食べているみそ汁にも鰹節の出汁を入れてみたいと思います。