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5年生授業紹介

知ること・伝えることの意味 つなぐ手「水俣病について知ろう」(5年生)

 3学期は、社会科の授業で、私たちのくらしと身の回りの環境について学習をしてきました。その中で、四大公害病について調べ学習をしました。今回のつなぐ手の授業では、「水俣」を伝えるネットワークの田嶋さんをお招きし、水俣病についてのお話を伺いました。P2191540
 事前学習をしてから臨んだ今回の授業でしたが、映像や写真を交えて田嶋さんがお話をして下さった「水俣病」は、覚えるべき知識としての「水俣病」では無く、子どもたちが受け止めるべき事実としての「水俣病」でした。今でもなお差別が続いていたり、裁判が起きていたりするなど、まだまだ苦しんでいる方がいると知り、「ずっと昔、遠くの場所で起きた公害病」という認識が、私も含めがらっと変わりました。
 また、水俣病は「人を人と思わなくなったこと」から起きたという話では、日常生活の中でのささいな場面での自分の行動について、振り返った子も多かったのではないでしょうか。友だちを、一人の人として大切にできていない行動は無いか、しっかりと考えられるきっかけになっていればと思います。P2191534
 田嶋さんは、水俣病のことだけでは無く、たくさんのことを教えて下さいました。差別を生んでいるのは、「事実を知らない」ということ。子どもたちが、毎日学校で学び、たくさんのことを知る意味も、教えて頂きました。
 子どもたちのお礼のお手紙から、今回のお話から一人ひとり感じるところがあったのだということが伝わりました。田嶋さんに出会えたからこそ感じ、考えることのできたことを、これからも大切にしていって欲しいと思います。

子どもたちの感想
*お話を聞いて、一番驚いたところは、今も水俣病の差別が続いているところです。水俣市の人や、水俣病の患者の人に会っても、差別しないようにしたいです。
*今もまだ水俣病で苦しんでいる人がいることを知って、助けてあげたいと思いました。水俣病と認められないことに対しても、助けてあげたいと思いました。
*水俣病の中でも私は特に胎児性水俣病がひどいと思いました。なぜならお腹の中にいる時に病気になって生まれてくるなんて、かわいそうだからです。もう二度とこのような公害を起こして欲しくないので、絶対に隠し事はしないで欲しいです。
*水俣病の人は、いろんな人からうつるからとよけられたり、石をなげられたりして、すごいひどいなと思いました。田嶋さんが言っていたように、差別をするのでは無くて、相手のことをよく知り、話したいなと思いました。
*総理大臣が、水俣市で謝った日や、水俣条約が動き出したのもごく最近の年なのだと分かり、これまで苦しんで死んでしまった人はたくさんいるだろうなと思いました。だから、公害病は後世にもちゃんと残していかなければいけないのだと思いました。
*この公害病は、20万人から200万人に及ぶということや、1956年5月1日に、水俣病が公式認定されたということを知って、とても被害が大きかったのだと思いました。
*水俣病がすごくつらい病気だと改めて分かりました。水俣病の人がかわいそうだと思い、できることはやってみたいと思います。ありがとうございました。
*水俣病の患者さんが20万人で、相模原で起きたとしたら3人に一人が水俣病ということに、とても驚きました。チッソ工場に一人で問いかけた緒形さんは、とてもすごいと思います。
*水俣病の原因が解明されていたにも関わらず止めようとしなかったことが新潟水俣病の始まりだと聞いたときには驚きました。今度自分にもできることがないか考えてみたいと思います。
*人が人じゃないと思うから起こってしまうということが心に残りました。あんなに考えられてすごいと思いました。
*水俣病は最近まで続いており、たくさんの人が水俣病にかかってしまったことを知り、驚きました。私は正しい知識をもって知り、学び、考えていきたいと思いました。
*私は、人間が流した毒は人間にかえってくると思いました。そこらへんにポイ捨てするのは、自分にしているのと同じことだと思い、やってはならないと思いました。水俣病の差別は、差別をしている人が水俣病を分かっていないから差別やいじめが起きるのだと思うし、「人に毒を食わせられたものは、人に毒をくわせられん」という、水俣の人たちの考えが素敵だと思いました。
*国に認めてもらうために、長い時間がかかってしまったことや、メチル水銀をねこや犬が取り込んでしまうと、おかしくなってしまうということに、とてもびっくりしました。
*水俣病の症状は、手足がふるえる。私が水俣病になったら、本当に苦しくてきつくなると思って、2007年に生まれて良かったなと思いました。水俣病は日本でしか起こっていないと思っていましたが、世界でなっていると知りました。
*水俣病が終わっていないことを初めて知って、驚き、あととても残念だと思いました。止められた新潟水俣病については、とても悔しいです。止められていたら・・・私はいつまでもそんなことを考えていたいです。
*今日は水俣病のつらさや、水俣病にかかった人に対しての差別を改めて知ることができました。これからもいろいろな人に水俣病のことを伝えて欲しいです。
*水俣市出身というだけで、差別されていたこと、まだ差別をしている人が前よりも少なくはなっているけれどいるということが衝撃でした。私も、田嶋さんから言われた、水俣病や水俣市の人に会った時の接し方を考え、水俣病を知らない人に伝えていきたいです。
*田嶋さんのお話を聞いて驚いたことは、まだこの水俣病の差別が終わっていなくて、つい最近に裁判が行われていたということです。なぜなら、水俣病のことについてテレビなどではお話をすることがほぼ無いのでもう終わっていると思っていたからです。ですが、まだ終わっていないので、裁判で良い決断が出されるのを祈りたいと思いました。