3年生体験学習授業紹介
3年生 ファイヤースクール 南消防署見学
社会の「安全なくらし」の学習の一環として、南消防署見学・ファイヤースクールに行ってきました。
初めに、火と煙について講義していただきました。1年間に4万4千件もの火事が発生し、30人もの子どもが死亡しているという話を聞き、私たちは大丈夫だろうと甘くみてはいけないと感じました。そして、一酸化炭素を含む煙の怖さも教えていただきました。横に進む速度は1秒間に50cmほどですが、上へと登って行く速さは1秒間に5mだそうで、逃げる方向を見誤ると助からない可能性があるという話に、子どもたちは真剣に耳を傾けていました。
講義の次は、実技です。衣服についた火を消す方法と煙の下を進む方法、119番通報の方法、以上の3つに挑戦しました。
衣服についた火を消す方法は、4つの手順を落ち着いて行動することが大切なポイントでした。①動かない=STOP(新鮮な空気を入れないため)②倒れる(地面に触れることで火を消す)③顔を隠して転がる(顔に引火しないため)。しっかりと手順通りに行うことができていました。実際に引火したらこんなに冷静ではいられないと思いますが、こうした経験は、いざという時に役立つと思いました。 煙の下を進む方法では、火災初期の段階で煙のない高さに広がったシーツの下を、這うように進みました。「こんなに低いの!?」という声が上がるほど、低くて進みにくそうでした。
119番通報では、電話で聞かれた質問の答えだけを、落ち着いて正確に伝えました。緊張しましたが、しっかりと対応できました。
実技の次は、体験コーナーです。煙・消火器体験・車両見学、庁舎見学の3つを、クラスごとに回りました。
1つ目は、煙・消火器体験でした。煙体験では、煙が充満している密室を通り抜けました。有害ではない煙であっても、視界がほとんどなく、部屋から出てきた後もむせている子がいました。これが実際の火事で発生した煙だったらと考えるとゾッとします。 消火器体験では、水が入っている練習用の消火器を使って、炎の絵が描いてあるペットボトルを狙いました。①ピン=栓を抜く、②ポン=ホースを引き抜く、パン=水を出す、というリズムで、消火していきました。 消火器体験中に出動要請がかかり、それまで教えていただいていた方が、一瞬で準備をし、消防車に乗って出動してしまうというハプニングが起きました。突然のことに驚きましたが、要請から出動までの素早い動きを実際に見ることができたことは、貴重な経験でした。 車両見学では、消防車が出動後だったこともあり、消火以外の役目を果たす車両中心に見せていただきました。中でも、巨大な扇風機を積んでいるブロアー車に、子どもたちの目は釘付けでした。所有している消防署が少なく珍しいということもありますが、火を消すためだと思っていた扇風機が、実は熱や煙を排出するために使用されるという自分たちの発想になかったことも、興味を持った要因のようです。そして、水の力で何でも切断できるというウォーターカッターの存在も、新鮮だったようです。
庁舎見学では、消防署で働く方の仕事の様子が良くわかりました。お風呂場の湯舟が小さいのは、体を洗っている時に出動要請がかかった場合に、ザバッと入って一瞬で泡を流すためだということを教わり、出動までの時間を短くする工夫が様々な場所で考えられていると実感しました。また、1つの仮眠室にロッカーが3人分置いてあるのは、3チームのローテーションだからというお話を聞き、24時間勤務がどれほど大変なのか、考えさせられました。制服のまま靴下を履いて寝ているという事実にも、とても驚きました。
火は、思った通りに使えているうちはとても便利ですが、こちらの思い通りにならなくなった途端に襲ってくる怖いものであるということを忘れてはいけないと思いました。そして、そんな火を私たちが安心して使えるのは、消防署のみなさまなど、多くの方に守られているからだと実感しました。