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3学期の活動より①「江戸しぐさをまなぶ」4年生つなぐ手
4年生のつなぐ手の時間に、「江戸しぐさを学ぼう」という授業を行いました。江戸しぐさとは、日本古来の動き、身のこなしのことで、そこから日本人らしい、相手を思いやる気持ちを学びました。講師として来て下さった依光先生は、元々小学校の先生をしていたらしく、講演と実演を織り交ぜて授業を進めてくれました。
一番始めにお話があったのは、あいさつについてでした。江戸しぐさ流のあいさつというものは「あかるく」「いつも自分から」「さきに一言」「つけ加えて」するのが基本だそうです。これは、江戸時代の商人たち身につけていた処世術からきているもので、商人(あきんど)しぐさ・繁盛しぐさと呼ばれていました。また、現在は「しぐさ」を漢字で書くと「仕草」となりますが、江戸しぐさでは、「思草」と書くのだそうです。「思」は思いを、「草」は行動を表し、「思いやりの心を目に見えるしぐさで表す」ことが大切であるということでした。中でも、「目つき」「表情」「ものの言い方」「身のこなし」を重要視していました。 江戸しぐさがどのようなものか教わった後は、「やってみましょう、江戸しぐさ」ということで、いくつかのしぐさを実演しながら学びました。一つ目は「傘かしげ」というもので、狭い道で傘をさしたまますれ違うときによけるしぐさでした。ここには、「相手の体に雨や傘からの水が垂れない様に」という心遣いや、すれ違いざまに軽く目を合わせ、微笑むことで、「会釈の眼差しを向ける」という思いが含まれています。二つ目は、「こぶし腰浮かせ」というもので、乗り合いの渡し船で席をつめるしぐさです。これは、席を立ってつめると船がバランスを崩してしまうため、こぶし一つ分腰を浮かせて席をつめるというものでしたが、何より大切なのは、人が乗ってきたときにすっとつめられるような「気づき」ということでした。最後は「うかつあやまり」というもので、混み合っているところで、誤って相手の足を踏んでしまった時にするしぐさです。踏んでしまった方が「失礼しました。」というのは当然ですが、踏まれた方も「こちらも踏んでしまうような所に足を置いてしまい、うかつでした。」と謝るというものでした。ここには、「お互いヒートアップしてしまうのではなく、むやみな争いやトラブルを避ける」という思いが込められています。どのしぐさにも大切さを感じましたが、特に「うかつあやまり」には、今の子どもたちの生活にぴったりだと感じました。
「江戸しぐさ」を小学部で授業をしてもらうのは今年度が初めてでしたが、とても学びが多く、子どもたちも真剣に話を聞いている様子が伺えました。「思いやりの心をもつ」ことの大切さを改めてわかった授業でした。