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3年生

つなぐ手「手と心でつたえよう(聴覚障害者と手話通訳士・要約筆記者の方を招いて)」

3年生では、5時間の授業計画で、つなぐ手「手と心でつたえよう」という単元を計画しました。聴覚障害のある方に対する理解と手話について学びました。ヘレンケラーについて知ったり、耳の不自由な方とコミュニケーションをとるための手段として手話があることを学んだりしてきました。また、NHKのテレビ番組ハートネットTV「ぼくらのサイン」~難聴のエースと仲間たちの最後の夏~なども見ながら、気持ち伝え合うことの大切さも学びました。先生そして、2月24日(金)の3・4校時に、手話通訳士の谷 千春(たに ちはる)先生と相模原市「土の会」から難聴者の方3名、そして、要約筆記者の方3名をお招きして、授業をしていただきました。手話通訳士は、手話や音声言語を読み聞きし、聴覚障害者と聴覚障害のない人との間で意思伝達を仲介するお仕事です。谷先生は、人と人との架け橋となる仕事を、志をもってされています。手話をするあいさつの仕方子どもたちに教えてくださったのは、人差し指を立てると人を表わすということです。両手の人差し指を立てて向かい合わせ、人差し指を曲げてお辞儀させると「あいさつ」を表わします。朝昼夜の「あいさつ」を表わす手話それぞれに、きちんと意味があり、手話の動きとその意味を丁寧に教えてくださったので、子どもたちはすぐに覚えていました。谷先生2手話通訳士になるには、手話通訳技能認定試験に合格しなければなりません。手話通訳士のお仕事に興味津々の子どもたちは、どうすれば手話通訳士になれるのか、身を乗り出して話を聞いていました。手話通訳技能認定試験は20歳にならなければ受験することができません。肩を落とす子どもたちに、谷先生は「今のみんなにもできることがあるんだよ。」と声をかけてくださいました。「手話技能検定試験」を受けることです。1級~7級まであり、その中でも7級は、濁音や半濁音を含まない、五十音の指文字をゆっくり表現したり、読み取ったりできれば良いので、3年生の子どもたちにも挑戦できる内容です。これには、子どもたちも驚いたようで、「受けたい!」とやる気満々でした。体験談谷先生のお話が終わると、次は、相模原市「土の会」から来てくださった難聴者の方と、難聴者の方を助ける要約筆記者の方のお話です。体験話難聴者の方の中には、出産を機に聞こえなくなった方もいて、子どもの声を聞けなくなったことに、とても強い悲しみを覚えたとお話しくださいました。ですが、どの方もとても明るく元気で、子どもたちともすぐに打ち解けることができました。筆記要約筆記者とは、耳の聞こえない方に、相手が話している事を書いて伝えるお仕事です。手話があるのになぜ、要約筆記者が必要なのでしょうか。それは、手話ができない聴覚障害者の方もいらっしゃるからです。今回来てくださった難聴者の方は、手話の勉強中で、要約筆記者を必要とする方々でした。要約筆記者の方は、もちろん、伝えることを全部書くわけではありません。なんと、5分の1ほどにして書くそうです。話を真剣に聞く子どもたち「どうやって文章を短くするの?」と不思議そうな子どもたち。すると、例を出してわかりやすく教えてくださいました。交流交流2コミュニケーション一通りお話を聴いた後は、今まで練習してきた手話や指文字を使って、難聴者の方との触れ合いの時間をとりました。練習してきた手話が、相手に伝わって嬉しそうな子どもたち。上手く伝わらない時は、周りの友だちが「「ま」は、こうやるんだよ。」とお互いに助け合い教え合いながら自己紹介をしました。インタビュー②
質問「耳が聞こえなくて困ることはどんな時ですか。また、その時周りの人にしてもらいたいことはどんなことですか。」という質問が子どもたちから出てきました。難聴者の方は、「電車が何かの原因で長い時間止まった時」とお答えくださいました。「どうして止まっているかも分からないし、いつ動き出すかも分からないし、次にどういう行動をすればいいのかも分かりません。」と理由を教えてくださいました。そして「そんな時は、どうぞ書いて教えてください。手話が出来なくても、あなたたちはもう字を書くことができますね。それだけでいいのです。」と教えてくださいました。難聴者の方の声を受けて、子どもたちからは「手話を覚えて、困っている人を助けたい!」との声が多数挙がりました。みんなで合唱合唱授業の最後は、みんなで合唱をしました。遊びで交流授業のあとは、それぞれのクラスで一緒に給食をいただきました。お昼休みも一緒に遊んでいただき、素敵な時間となりました。3組記念写真「志ある方との出会い」ということで行った今回のつなぐ手の授業。子どもたちは、たくさんのことを学んだことと思います。授業が終わったあとも家で手話を練習したという声を聞きました。「今度、耳の不自由な方を見かけたら筆談や手話で話しかけてみる。」「もし困っていたら助けたい。」という声も聞こえます。その気持ちが、「耳の不自由の方が相手だから」ではなく、誰に対しても同じ気持ちをもって接することができる人になってほしいと願っています。