体験学習
ホームステイ9日目
長いようであっという間に過ぎていったホームステイの日々。最終日の朝を迎えました。ホテルで朝食をいただき、バスでブリスベン国際空港に向かいました。
出発ゲートの前で、お世話になったBIAのスタッフの方に感謝の気持ちを伝えてお別れしました。
空港の免税店で最後にお土産を買い、飛行機に乗ります。
座席に座っていると、「先生、先生!」と日本語で客室乗務員の方に話しかけられました。
その方はなんと2018年と2019年にホストマザーをしてくださったPSSSの保護者の方で、2019年には娘さんを相模にホームステイに送り出してくださったFishさんでした。PSSSの近くを通ったら小学部の制服を見かけたので、もしかしたらと思って機内で声をかけてくださいました。
お互いに持っていた画像を見せ合いながら、当時のことを語り合いました。今でも家族ぐるみのお付き合いは続いていて、オーストラリアに遊びに行ったり、日本に遊びに来る計画を立てたりしているそうです。ホームステイが終わっても関係が続いていることは、とても素晴らしいことだと感じました。
成田に到着した後、子どもたちは貸切バスに乗って横浜のYCATへ向かいました。YCATに到着すると、たくさんの保護者の方や校長先生、副校長先生が出迎えてくださいました。先生方からのお話を聞き、さようならをして解散しました。
〜ホームステイを終えて〜
ホームステイ2日目の朝に子どもたちに話した、①どんどんチャレンジすること②日本との違いをたくさん見つけてくること③とにかく楽しむことについて振り返ってみました。
①どんどんチャレンジすること
海外に行くのが初めての子や、そもそも飛行機に乗ること自体が初めての子もいました。ホストマザーが用意してくれた食事には、初めて食べるものもあったと思います。様々な挑戦があった中で、最も大きな挑戦は意思疎通を図るということだったと思います。言葉も文化も違う人たちとコミュニケーションをとることは多くの困難を伴います。分からない、伝わらないことの方が多かったと思います。ですが、諦めずに分かろうとすること、分かってもらおうとすることで、意思の疎通が図れることを身をもって経験しました。そして、伝わらない経験をすることは、次はもっと伝えられようになりたいという気持ちに繋がります。何でも先ずはやってみること、相手を理解し自分を理解してもらうことを大切にすることを、今後の生活の中でも大切にしてもらいたいと思います。
②日本との違いをたくさん見つけてくること
「当たり前だけど言葉が違った」、「お札がプラスチックでできてた」、「りんごは皮をむかずにそのまま丸齧りしてた」、「交差点が丸かった(ラウンドアバウト)」、「街中で裸足で歩いている人がいた」などなど、子どもたちは多くの違いを見つけることができました。日本を出て海外を知ると、その次は自然とまた日本に目が向きます。世界と日本との違いや、日本の良さについて改めて考えるきっかけになったと思います。また、国際化が進む中、将来子どもたちの職場には、外国の方々が今より多く在籍しているかもしれません。異文化を経験してきた子どもたちは、海外の人たちとの交流を怖がらず、理解しようと努めるでしょう。違って当たり前なんだという考えを、このホームステイを通して感じてもらえたと思います。
③とにかく楽しむこと
ホームステイに行く前は、漠然とした不安を抱えている子が多いようです。不安な、後ろ向きな気持ちでは、せっかくのホームステイを充実したものにすることはできません。1人でホームステイに赴くのはとても勇気がいることですが、学校のプログラムとして行くのですから、そこには小学部の仲間や先生方がいます。学校としてホームステイを行えることの良さがここにあります。安心な気持ちは、楽しむ余裕を生み出します。「やってみたら、意外とできた。きっと今回もそうなるから大丈夫。だから思いっきり楽しもう!」そう声をかけて始めたホームステイ。終わってみたら「日本に帰りたいけど帰りたくない。」「あと1週間延長したい。」「来年も絶対ホームステイに行く!」そんな声が子どもたちから聞こえてきました。しっかりと今回のホームステイを楽しむことができたようです。
一生の思い出となるであろう今回のホームステイ。ホームステイを通して学んだたくさんのことを生かして、様々な場面で活躍してくれることを願っています。