5年生
「つなぐ手 水俣を通して学ぶ」
月曜日、5年生のつなぐ手の時間は、「水俣を子どもたちに伝えるネットワーク」の田嶋さんをお招きしての学習会でした。
社会科の教科書における水俣病の学習は、時代と共に扱いが小さくなり、世界的規模での温暖化などの環境問題を扱う量が増えています。しかし、単に環境学習ということではなく、人と自然との関わりや人間としての生き方を考えるという事において、水俣病の問題を学ぶ意味は大きいと考え、毎年小学部では、田嶋さんをお招きしてお話を伺っています。ホールには、田嶋さんが用意して下さった数多くの写真パネルが展示され、ミニ水俣資料館のようになりました。
田嶋さんは、相模大野にお住まいで、水俣病の関係者でも水俣に住んでいる方でもありません。田嶋さんはご自身の子育てのために安全で無農薬の果物をさがしている時に、水俣のミカンに出会い、そのパッケージの「人に毒を食わせられたものは、人に毒を食わせられん。」という言葉に出会って、水俣の人々の生きざまに関心をもち、その人々と関わりながら、取材し学び、それをきっかけに「水俣を子どもたちに伝えるネットワーク」を作った方です。二時間あまりの講演でしたが、子どもたちを見事にひきつけて、熱くお話をして下さいました。
田嶋さんは、水俣病から「私たちがどんなことを学ぶことができるのか。」という着眼点でお話をして下さいました。「食物連鎖の頂点に人間がいるということ」「命の歴史の中に私たちがいること」「知る意味、学ぶ意味、事実を知ることで人と出会うことの大切さ」「命は希望」そんな4つの視点についてのお話でした。水俣病の怖さ、被害者をめぐる差別の問題、家族の愛情やたくましく生きる人々の姿を紹介しながらのお話は、子どもたちをぐんぐん引きつけていました。
普段なら授業が終わるとすぐに遊び始める男子が、田嶋さんの周りに集まり、熱心にメモの付け足しをしている姿を見ることができました。子どもたちの心に残る学びになった「つなぐ手」の時間でした。