学生・保証人の皆様

学長　風間　誠史

　新型コロナウイルス感染症という未曽有の事態の中で、教職員の尽力と学生諸氏の学びへの意欲に支えられ、現在一部の対面授業を残し、春学期の授業をほぼ終えようとしています。まず、そのことを皆さんに心より感謝したいと思います。またこの間、十分な準備のないまま実施されたオンラインでの授業で、さまざまな負担をおかけしたことについて、お詫び申し上げます。

　さて、いったんは減少した新型コロナウイルス感染者数は、7月以降増加に転じ、現在も好転の兆しは見えていません。したがって秋学期についても、春学期同様可能な限りオンラインでの授業実施とせざるを得ないと判断しています。すでにお知らせした通り、春学期の対面授業を9月初めまで実施しているため、秋学期の授業開始は10月半ばとなります。春学期と異なり授業開始までに十分な準備期間があることから、対面での学びが不可欠な授業については対面授業を実施できるよう調整を進めており、オンライン授業と一部対面授業を並行して行う予定です。

　以前の学長メッセージでもお伝えした通り、オンライン授業が対面授業に比して質が低いとは考えません。授業は教員と学生の意欲が創り出すもので、決まった形があるものではないからです。一方で、学ぶことの根本に「人との出会い」があり、それが何にも代えがたいことも事実だと考えます。その点で、特に今年入学した1年生には、教員とも、友人・仲間とも十分な「出会い」を得られていないことを申し訳なく感じています。秋学期においては、オンライン授業の質をいっそう高めていくとともに、感染防止に配慮しつつ「出会い」の場、そして対面での授業を確保していきたい、これが基本的な本学の姿勢です。この状況での最善の学びを、ともに築いていきましょう。

　秋学期の授業へ向けては、現在、各教員がすべての授業科目についてシラバスの修正を行っています。オンラインなのか対面授業なのか、オンラインの場合また対面の場合の実施方法等が、それぞれの授業について記されます。秋学期の履修に際してはそのシラバスをしっかりと確認して科目登録をお願いします。春学期は十分にできなかった追加登録や、他学科科目の履修登録も可能になります。また、教科書についてはオンラインでの注文・受け取りが可能になります（学内での販売もあり）。春学期の反省を生かして、秋学期の授業環境を少しでも改善できるよう、PC・IT環境の整備等にも取り組んでいるところです。

　今回のオンライン授業は予期せぬ事態によるものではありましたが、コロナ禍の収束後もおそらくこうしたあり方、いわゆるリモートワークは世の中の標準になっていくでしょう。大学としても、そして皆さん一人一人も、それに対応し適応することは不可避であり、今はその好機と言えます。ハード・ソフト両面において対応力を向上させていきましょう。そして新型コロナウイルス感染症への対応も、三密を避け、手洗いを徹底し、まだしばらくは我慢すべきところは我慢すること、これを継続し、そのうえで精一杯学んでいってほしいと思います。

2020年8月28日