理事会~安定した経営基盤を確立する~
学園経営の見通しと基本方針
学園経営における避けて通れない課題は、言うまでもなく少子化の進行にともなって、各学校における入園・入学対象者の絶対数が減少していくことである。これに対応する手立てとしては、まずは各学校が他にはない「特色ある教育」を示すことで他との差別化を図ることである。「特色ある教育」とは、しかし単に新奇であることではなく、人を育てることの基本的なあり方を踏まえたうえで、社会のニーズに応えるものでなければならない。各学校の教育活動が積極的・意欲的に行われること、そして慣例にとらわれない現場からの新たな提案に期待するとともに、理事会と現場との意思疎通を密にして、各学校の「特色ある教育」への取り組みを積極的に支援していきたい。そのうえで、入学者数の動向に目を配りつつ、各学校の適切な規模とその規模に即した施設・設備のあり方を逐次検討し、柔軟に対応する態勢を構築する必要がある。
1.ガバナンス計画 ~理事会のあり方について~
本学園は、いわゆるオーナー経営ではなく、ここに職を得た理事・教職員の合議による運営体制が取られてきた。これは特定の権威が存在しないことによるガバナンスの健全性につながっているが、一方では理事会と各学校との関係を曖昧にし、経営方針やその責任が必ずしも明確でなく、ともすれば社会状況の変化への対応の鈍さや学園の一体感の希薄さの原因となっている。今後も本学園が持続していくためには、従来の民主的な運営体制を堅持しつつ、理事会が各学校の課題や教職員の要望を的確に捉え、また理事会の経営方針が各学校、そしてそこに働く教職員にしっかりと理解され共有される態勢を構築することが何より重要である。そのために、以下の課題に取り組む必要がある。
(1)本学園にふさわしい理事会のあり方(理事構成および運営)の検討
(2)各理事の職務内容と責任の明確化
(3)理事会と各学校との意思疎通の確保
(1)本学園にふさわしい理事会のあり方(理事構成および運営)の検討
(2)各理事の職務内容と責任の明確化
(3)理事会と各学校との意思疎通の確保
2.人事計画 ~人材育成と組織力強化を目的とした教職員の働き方の見直し~
本学園は先述の通り、上意下達ではなく、ここで働く一人一人のモチベーションによって運営されている。いわばボトムアップ型の運営であり、いかに教職員の意欲や意見を吸い上げるかが重要となる。したがって組織構成も、トップダウンの効率性よりもボトムアップの多様性を基本に考えられねばならない。その実現のために以下の点について取り組んでいく。
(1)教職員が主体的に研修に取り組むための人事交流を含めた制度の整備
(2)教職員の意欲的な企画提案とその実行を促すための処遇を含めた環境の整備
(3)「働き方改革」を踏まえた適切な労働環境の整備
(4)併設(小学部・中学部・高等部)教員の給与体系の見直し
(5)職員人事制度の改革
(6)ICTツール導入による業務効率性と生産性の向上
(1)教職員が主体的に研修に取り組むための人事交流を含めた制度の整備
(2)教職員の意欲的な企画提案とその実行を促すための処遇を含めた環境の整備
(3)「働き方改革」を踏まえた適切な労働環境の整備
(4)併設(小学部・中学部・高等部)教員の給与体系の見直し
(5)職員人事制度の改革
(6)ICTツール導入による業務効率性と生産性の向上
3.教育環境整備計画 ~安全で快適な学習環境の整備と魅力ある学園づくり~
本学園の大きな課題として、校舎等施設設備の老朽化への対応がある。大学院・大学・短期大学部、併設各部の要望を踏まえるとともに、情報化の進展による教育環境の変化や入学者の動向等を考慮して、効率的な環境整備を検討・実施することが求められる。現在「マスタープラン」は示されているが、社会状況や本学園の財務状況には流動的な要素も多く、常にそれらをチェックしながら慎重に実施する必要がある。具体的な課題のうち大きなものは以下の通りである。
(1)正門西側地区の再開発(2021年度実施)
(2)大学旧五号館の解体とその跡地を含むキャンパス再開発の検討・実施
(3)次世代教育を見据えたICT教育環境整備の推進
(4)老朽化した建物の計画的修繕の実施
(5)小学部校舎の老朽化に伴う新校舎建築の検討
(6)幼稚部園舎の老朽化に伴う新園舎建築の検討
(1)正門西側地区の再開発(2021年度実施)
(2)大学旧五号館の解体とその跡地を含むキャンパス再開発の検討・実施
(3)次世代教育を見据えたICT教育環境整備の推進
(4)老朽化した建物の計画的修繕の実施
(5)小学部校舎の老朽化に伴う新校舎建築の検討
(6)幼稚部園舎の老朽化に伴う新園舎建築の検討
4.財務計画 ~学園の永続的な発展を支える財務基盤の構築~
本学園は基本的に学生・生徒等の納付金によって運営され、現状では大きな余剰金が生じる仕組みにはなっていない。2019年度から2020年度は大学の学生募集が順調で、財務的に余裕があるように見えるが、今後の少子化の影響を考慮すれば決して楽観はできず、特に上記3の教育環境整備については、借入金の導入無しで実施することは不可能である。したがって毎年のきめ細かな財務計画が必須であり、その執行状況についても逐次精査する態勢が求められる。また、今後の継続的な学園経営のために、収益事業の検討や土地利用の新たな計画も含め、あらゆる角度から議論する必要がある。
5.地域との交流と情報発信 ~125周年に向けて~
現在の相模女子大学の幼稚部、小学部、中学部、高等部、大学(大学院・短期大学部)は、それぞれ設立の経緯と歴史を持っているが、「学びの園」としての起点は1900年創立の日本女学校であり、2025年に迎える125年周年は、学園をあげての周年事業を実施したい。また、学園の125年の教育事業の過半が相模原の地で営まれてきたことを踏まえ、地域への感謝を示し、地域とともに生きる姿勢を内外に示す機会としたい。
(1)地域とともに祝う125周年事業の検討
(2)地域との交流事業の一層の充実
(3)卒業生をはじめ、学園に関わりを持つ方たちとの連携の促進
(4)学園の特色ある教育・研究活動の効果的な発信
(1)地域とともに祝う125周年事業の検討
(2)地域との交流事業の一層の充実
(3)卒業生をはじめ、学園に関わりを持つ方たちとの連携の促進
(4)学園の特色ある教育・研究活動の効果的な発信